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2011年11月22日

岩手不白会研究会レポート 2

家元招請研究会−【茶事の実践】

岩手不白会

 「茶事の実践」の家元招請研究会各席の茶事のレポートから2席を紹介します。
 この2席を含む全19席のレポートは、Facebookの江戸千家ページでご覧いただけます。
次のリンクをクリックしてください。
  ●岩手不白会研究会レポート2(全19席)

 …… ……
茶会風景
 ◎茶事の実践研究会
     平成二十三年十一月二十二日
    亭主 田中宗玲  場所 拙宅
    客  菊池宗和様 小田島宗寂様 福士宗久様
(会記省略)
(客の感想)
 その素晴らしく清々しい雰囲気の茶室に鬼霰の広口釜が圧倒的な存在感を放っていました。寒さも深まっていたこの時期には暖かい湯気と立派な胴炭が何よりのごちそうに思えました。また、食べ切れないほどの美味しいお料理に亭主の心遣いを身にしみて感じ、相客さまと共にその後の席の和気あいあい振りを十分に楽しんだ研究会でした。
 田中先生の優しいお人柄が表れたお茶席だったと振り返り思います。
(亭主の感想)
 お客様三名、亭主、半東、水屋、社中のお手伝いをいただき亭主を務めることになりました。日々ばたばたと生活している私には、時間内での茶事の実践で、お客様のおもてなし、気配り又、心の大切さ等々実感しました。
 今後益々心新たに精進したいと思っております。
  ◇  ◇  ◇
◎茶事の実践研究会
   平成二十三年十一月二十三日
   三田宗明宅 聴雪庵
   正客 お家元様 次客 沢田宗彦様 詰 小苅米宗翠様
   亭主 三田宗明 半東 三田宗廣 水屋 澤野宗桂
(会記省略)
(お家元からいただいたお葉書)
 「医家三代の館つましやか
   紅葉して金色浄土ここにあり 雪」
 この度は懇親の茶事にお招きいただきありがとうございました。
(沢田宗彦先生からのお手紙の中から一文)
 亭主と正客の家元音のお話のやりとり、お互いに心から敬い自然体で喜びを分かち合いながらお茶事が進み、同席の私は胸が熱くなりました。お茶事の素晴らしさを切実に感じました。
  ……………
 小苅米宗翠先生には、お詰にて大変お世話になりましたのに、早々と御丁寧な御礼状を賜り、お濃茶が熱くて美味しかったとお書き下さいまして嬉しく存じました。
(亭主の感想)
 老齢の私は今回の茶事は最後の御指導いただけるお茶事と思い、張り切って参加致しましたところ間際になってお正客様にお家元様と伺い驚きやら、うれしさやら、おそれ多い感情に心は乱れました。その上、沢田大先生までお迎えすることが、決まり、心の動揺は隠し切れませんでしたが、幸いお詰が小苅米先生でしたので、意を決して、身体は不自由でも誠心誠意おもてなしを致すべく務めました。思うような充分なことは出来ませんで申し訳なく思っております。でもお茶事の高尚な交わりをご熱心に永年にわたり御教導下さったお家元の有り難いご恩を今回の茶事であらためて深め感謝申し上げております。
レポート紙面

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2011年11月13日

実践で予行練習を

家元招請研究会−【茶事の実践】

栗山宗薫(静岡不白会)

炭点前
 今年度の課題は「実践」です。十一月の家元招請研究会では亭主を務めるよう勧められ、勉強のためと思い、重要なお役をお引き受け致しました。
 お家元から常々「無理せず、自分のできることから実践しなさい」と伺っておりましたので、気持ちを楽に持ち身の丈にあったことをすると決めました。
 先ず事前に、友人三人を家に招きお茶事をすることにしました。教本「茶席の支度」を参考にし、茶道具、茶花、点心等流れを具体的にイメージしながら計画を立てました。家には炉がありませんので風炉で、水屋も廊下を工夫しました。床の間に掛物を掛け、花生を置き、お灰を整えた風炉を据えると茶席らしくなりました。点心は季節の素材を使い、お花も庭や道端の草花を用意しました。試行錯誤の繰り返しでしたが、自分のアイディアで一席を作っていくのは、今まで見過ごしていた事の発見でもありました。
点心で一献
 当日は客のお一人に半東をお願いし、入席、炭点前、おしのぎと進み、美味しい一服のお濃茶が点つよう湯加減に配慮しました。お客様は初めての体験とのことでしたが、別世界で和やかな時間を過ごすことができたと大変喜んでいただけました。
 十一月十三日に家元招請研究会に向けては、同じ社中の半東、水屋のお当番と三人で準備をしました。お道具はなるべく自分の物を使用する。炉辺の道具は先生にお借りする。点心は持ち寄りでということにしました。
濃茶点前
 当日は緊張の連続でしたが、お客様にも助けていただき滞りなく終わりました。
 事前に実践することにより、それぞれの手順の意味が理解できました。お家元のお話の中に、「稽古で半分、実践で半分が二倍、三倍の力になる」とお聞きしたことがありますが、納得致しました。
 一席を設けるには、大変な労力を伴いますが、楽しい過程でもありました。お客様と心を通わせることは、自分自身の心も豊になる一時でした。これからも茶の湯に精進していきたいと思います。
 当日は、見事な秋晴れで、富士山も雪化粧をしてお家元を迎えてくれたことはなによりでした。

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2011年10月22日

半東として

家元招請研究会−【茶事の実践】

今川宗寿(久留米不白会)

一堂に会しての反省会
一堂に会しての反省会
 私は水田様のお席で半東の役目を仰せつかりました。
 前回の席持の際、宗匠からいただいた色紙『観楓』を亭主は床に掛け、茶事が始まりました。
 懐石は、亭主の心のこもった秋の味覚の盛り合わせのお膳とお酒。椀ものをお出しした後、亭主も相伴されました。
 お庭の紅葉には早いものの、ウメモドキの実が見ごろでしたので、お縁の障子を開け、秋の日差しの中会話もはずみ、楽しいお食事のご様子でした。皆様お車のせいかお酒はあまり召し上がらなかったのですが、最後に湯桶がわりにお出しした甘酒がたいそうお気に召したようです。
 中立ちの後、掛物をはずし、時代ものの煤竹の籠にアサギリ草、シモバシラ、秋明菊が生けられ、後座へと映りました。
 白木の丸卓に亭主手づくりの水指が置かれ、静かな濃茶点前が始まり、一期一会の一碗を亭主もお相伴されました。
 半東としては、茶道口に控え、タイミングをみながら臨機応変の心配りと立ち居振る舞いを目指しましたが、ご亭主に助けられて、無事務めることができた気がします。
 改めて亭主という役の大変さ、心配りに深く感心すると共に大変勉強となり、心に残る一日となりました。

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2011年10月13日

亭主をすることでえた収穫

家元招請研究会−【茶事の実践】

生亀寿雪(山形不白会)

実践の指導
 松尾芭蕉奥の細道「三百周年記念」に建てられた茶室を主会場に研究会が開催されました。
 点在する奇岩怪石。堂宇群そして紅く色づき始めた木々の織りなす景観が一望できる庭を、当不白会相談役の芳賀宗紀さんの案内で、お家元と東京不白会の小林宗淳様が到着、早速、お研究会が始まりました。
 私は亭主の大役で、挨拶も緊張気味でしたが、正客の小林様の経験豊かな問いかけや温かいお心遣いで、空気が一気に和らぎ、気持ちが落ち着いてきました。
 「懐石」では、山形の食材、料理、お酒等で話が膨らみ、盛り上がりのある楽しい席となりました。小林様から「茶席の会話」の仕方を学ばせていただきました。後日、客役の人達からも同様な感想が寄せられ、大きな収穫を得たようでございます。
 「炭点前」で、下火が小さくなり、「湯の沸き具合の一番良い時に濃茶を点てる」という茶会の最も大切なところで落第点をとってしまい、深く反省致しました。
 お家元のご講評の中で、次の事が心に残りました。
 ・濃茶点前までに心の通う会話を多くし、主客が一体感を持てる空間をつくっておくこと。
 ・茶の湯の稽古では「茶事」の形でお客様をおもてなしできるようになる事が大切。簡単でも良いから、是非自宅に客を呼んで茶事を行うことを勧めたい。
 これからも一層精進して茶の道を勉強してまいりたいと存じます。

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2011年10月10日

社中の絆

家元招請研究会−【茶事の実践】

餅越宗清(福岡不白会)

茶事でお点前
 茶道を修める私たちにとって何より大切なのは、おもてなしの心であろう。お茶事で心のこもった亭主のおもてなしによって、席が和み清談がはずんで、お客様と心が通い合う一刻が愉しめれば、これこそ茶道の醍醐味に違いない。
 今回はテーマ「茶の湯実践」の研究会である。不祥餅越が亭主を仰せつかった。どうしよう、と一瞬ひるんだが、何しろ研究会だから、田中宗正先生社中の仲間がみなでアイディアを出し合い「おもてなし」はいかに為すべきか工夫する勉強会をすればいい。やってみよう。
 まず役割を考えた。半東に四方田洋子、水屋を田中万里子に受け持ってもらう。それに田中宗央も加わって案を練っていく。これなら文殊菩薩に劣らない智恵が湧きそうだ。お客様は福岡不白会から四名様をお招きすることにした。場所は街の中央部にほど近い「たそがれ庵」こと賛助会員田中孝邸を六月のお稽古から使うことにした。
 十月十日の本番当日は、野菊や水引草が茂る門から玄関まで、しっとりと水を打つ。床の軸は「大聖武」(唐代の名筆、東大寺蔵は国宝)の断簡。花は薄と秋明菊を古銅水注に生けた。この軸は、心を清め和みのなかに緊張感を保つように、との庵主の志かと思う。
 茶碗は、旧恩師より拝領の萩、李朝瑠璃の小壺を茶入に見立て、茶杓は黒田辰秋作、銘笹舟を配した。
 さてお料理。お向こうは、古唐津に旬の魳を昆布〆。それに冬瓜の椀盛りを供した。この淡緑が漆黒の椀に映えて、清涼の気を誘う。実はこの冬瓜、九十歳の父が丹精をこめて育てた一抱えもある大果なのだ。
 省みると、至らぬ私が、田中宗正先生の適切なご教導と社中みなの助け合いのお陰で、亭主の大役を無事務め上げることができたのは、ともにお茶の絆で結ばれた間柄の故である。この絆が今回の研究会で一層強められたことは、何よりの収穫であった。
 

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2011年10月2日

熊谷便り

家元招請研究会−【茶事の実践】

松崎宗渓(熊谷不白会)

村田邸記念写真
村田邸記念写真
お料理担当者
小間と立礼席の料理を担当 お料理シスターズ
 昨年穏やかな秋の日に、家元招請研究会が、熊谷・鴻巣の地で行われました。テーマは『茶事の実践』それぞれご亭主の持ち味で、特色ある楽しいお席になったようでございます。各々のお席のコメントをご覧ください。
 ……  ……  
 ●お家元お迎えしての「村田邸」
 神無月二日、家本様がお正客になられ、この上ない喜びでございました。席入り後、ご挨拶し、膳にご飯、向付、強肴、お酒、椀盛しんじょうと進み、楽しく会話が弾みました。主人にも声をかけていただき、喜びでございました。床の「心外無別法」をはじめ、我が家にある物で皆様に愉しんでいただきました。家元さまよりお褒めの言葉を頂戴し、大きな力となりました。茶事の素晴らしさを再確認致しました。
 ●「野辺邸」では  テーマ『歓び』
 三十年ぶりに我が家でのお茶事、亭主を務めさせていただきました。一緒にお稽古をしているお仲間に助けられ、不慣れで大変な面もありましたが、結構楽しいひとときでした。この経験から、茶道に対する深い心掛けが必要と痛切に感じました。またの機に、友人、知人をお招きして、茶の湯を通して心豊かに、楽しいひとときを過ごせたらと思います。
●松崎邸 「笛庵」にて  テーマ『ゆく秋』
 小間で亭主を務めることになった私は、不慣れで不安一杯でした。しかしお客様を前にしての身の動き、気遣い等、いろいろ学ぶ機会となり、貴重な経験でした。初座では武島羽衣のお軸、横笛の香合、後座は鉈籠を掛け、野の花を持ち出し、花所望を致しました。薄明かりの中、床がぽっと明るく美しい光景でした。今回勉強不足で反省点数々ありますが、思い出の日となると存じます。
  ●松崎邸 「立礼席」にて  テーマ「宙」
 おもてなしの趣向あれこれ考え、初座と後座の雰囲気をガラッと変える演出を試みました。机、椅子、灯りなどの綿密な配置図や進行表を作成し、テーマ『宙』に会わせたお道具、料理、お菓子を考え、試食も多いに楽しみました。音叉によるBGMも取り入れてみました。先生や料理担当の方に助けられながら、充実した時間を過ごすことができました。
 ……  ……  
 これを機に、温かな交流が増えることを望みます。雁の群れの渡りを見送りながら、学びの一日が終わりました。

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2011年9月25日

新潟不白会・茶事の実践

家元招請研究会−【茶事の実践】

新潟不白会

●亭主として学ぶ
    長澤留美子
 家元招請研究会にて亭主を務めさせていただきました。お客様を招く際の、大切な「基本」を学ぶ勉強会で、家元から直々にお手本を見せて頂き、また、ご指導も賜るといった、大変貴重な時間をいただきました
。  反省点は多かったものの「基本=初心」に立ち返る機会となり、今後の自身への課題、目指すべき姿が明らかとなって、茶道の目標、楽しみが増す機会ともなりました。
 茶会にて、お客様が一期一会のひとときを充実して過ごせるよう、亭主はお点前の動作、技術向上だけではなく、常に気配りをし、心を行き届かせる。私も稽古を重ね、真心を込めた対応が、さりげなくできるよう努めたいと思います。
 日々雑多で忙しく、時間に追われるような中、私にとって茶道を学ぶ時間というのは、自身を清める時間でもあります。
 これからも学べること、おいしいお茶がいただけることに感謝していきたいと思います。

●もてなすことの喜び
佐藤宗孝
 茶の湯の実践の研究会、今年は二回目です。前回はお客として小旅行気分でバスに揺られ、楽しんで伺いましたが、今回は迎える側となり、社中で何度も話し合い、手順やお茶、お菓子、お料理、お酒など吟味しました。当日はとにかくお客様が楽しかったと思えるよう、そして秋を満喫できるように心がけました。
 席入り後まず花所望をしました。秋の草花を少し大きめの籠に活けて頂きました。そこでお客様と亭主が一体となり、話も弾み、あとは流れるように時間が進み、一献、点心、中立ち、後座ではお盆点前で濃茶を差し上げました。亭主も相伴し、またそこでさらに和やかな空気が流れ、お客様のお顔に笑顔が浮かんでいる様子を拝見した時は、社中全員でおもてなしできたことを嬉しく思いました。
 

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2011年9月18日

実践へ向けての見学

家元招請研究会−【茶事実践】

福井素雪(七戸不白会)

 私はお稽古は長くしていますがお茶事の経験はあまりありません。この度の研究会で、お家元の「実践することで茶の湯の楽しさが広がる」とのお言葉を、まず心に刻みました。そのような目で見学していますと、ご亭主やお客の振る舞いや、水屋の方々のお姿に、改めておもてなしの心が感じられるようでした。
 また、随行でいらしたお正客の足立淳雪先生の思いやり溢れた会話、ゆったりと時が流れ座が和み、心の通ったお席のお茶事でございました。お家元の体操、立居、一つ一つの所作の意味の説明、最後は篠笛の音色をお聞きかせいただき、日本文化の奥の深さに触れることができました。
 この度の研究会に参加でき、とても有意義な一日でした。
亭主点前
家元他

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2011年7月25日

風炉の茶事-ロサンゼルス不白会家元招請研究会2

家元招請研究会−【茶事の実践】

藤田宗明(羅府不白会)

自宅での茶事
 この度御家元招請研究会の一連として、一日当茶室において席を持つようにという大変ありがたい機会を頂いた。以前、御家元と博子先生が研究会にロサンゼルスへお越しになられた折、ご多忙にも関わらず我が家へお立ち寄り下さった。夫の手造りの茶室が出来上がってからまだ1年程で、御家元にひと目ご覧いただければとのご配慮を賜ったのである。大変お忙しいスケジュールであったのでお茶の一服もお出しすることができず、とても残念に思っていたが、御家元から腰張りを貼ってみてはどうかと貴重なご意見を頂いた。
 それから5年後に若輩の自分に正午の茶事を持たせていただけるとはなんと幸せなことだろうか。自分の茶室で初座から後座へと茶事の流れを通して行ったことは一度も無い。今まで教えていただいたことを復習しながら計画を進めた。頭の中で構想は巡り御家元をはじめお客様をどの様におもてなしするかを考えている時は楽しさが湧いてくる。
 当日は夏休みの時期でもあり9歳の娘が在宅しており、5年ぶりに御家元と再会ができた。待合としたリビングルームで娘が御家元にショパンのピアノ夜想曲を弾き、御家元がそのお返しにと笛を一曲吹いてくださった。なんとも和やかな雰囲気の中茶事が始まった。
記念写真
茶事が終わって記念写真
 露地は無いので中庭を通っていただき、一角に設えた蹲をお使い頂き茶室へご案内というなんとも風変わりな設定となったが、家の中を通るだけよりもまたひとつ違いがあるかと思った。初座では点心懐石をご相伴させていただき、御家元はじめお招きに応じてくださった西村宗櫛先生、マーセリオ宗和先生とお話ははずみ、カリフォルニアの特産物を考慮した料理を味わって召し上がって下さったことをとてもありがたく思った。後座は濃茶のあとお半東を務めてくださった榊原美香さんが薄茶を点て、お水屋を担当して下さった師匠の新井宗京先生もご同席頂き、尽きない愉しい交流の後、御家元からこの度の茶事についてのご教示を賜った。
 そのひとつに初座から後座への変化で、特に茶室の明るさを変える事を教えていただいた。茶事の流れに明るさの変化をもたらすとは何と素晴らしい考案だろうか。音楽にしてもダイナミックが無ければ無味乾燥な演奏に終わり、心に響かず機械的である。茶事における変化に日本の美を思い、茶の湯を学ぶ者として大きな感慨があった。
 未だ深淵のふちをみるような思いに駆られる。この茶事実践を行ってみて今まで気がつかなかったこと、これから身につけて行きたい事、普段の稽古に取り入れて学びたいことなど大いに勉強させていただいた。自分の茶は手慰みで終わりたくない。辿り着く所はまだ見えもしない遠くにあるがそれに近づいて行きたいと思う。

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2011年7月22日

江戸千家ロサンゼルス不白会家元招請研究会

家元招請研究会−【点心懐石による茶事・濃茶】

ロサンゼルス不白会

(先日行われた、ロサンゼルス不白会家元研究会の模様を、現地日本語新聞『羅府新報』から、紹介致します)
錦泉庵での点心
錦泉庵での点心
 茶道江戸千家ロサンゼルス不白会(西村宗櫛支部長)は22日から25日まで、日本より川上宗雪家元を迎え研究会を開催した。
 今年のテーマ「点心懐石による茶事」と「濃茶」が中心となり、22日はオーシャンサイドのシェルドン宗園宅訪問、23日は教授者を中心に西村会長宅の「錦泉庵」で、初座の点心懐石、お炭点前、お菓子、中立ちの後、後座では花所望、濃茶、お薄は氷点で持て成した。亭主は西村宗櫛、半東は椎名宗梨が務め、正客に川上宗雪お家元が入った。
中立風景
中立
 24日は会場をトーレンス市のミヤコ・ハイブリドホテルに移し、各社中の生徒を交えて初座では簡単点心懐石、後座では濃茶を学んだ。亭主は 新井宗京、半東は和具名幸子が務め、正客にお家元が入った。
 午後は家元歓迎昼食会を開催し、顧問・杉葉子氏の挨拶と乾杯の後、お琴・松山夕貴 子姉の演奏、お家元の篠笛演奏の後、お薄がふるまわれた。夕方より、アーバインの佐藤宗陽宅を訪問、茶会がされた。
 25日にはパロスバーデスの藤田宗明宅で点心懐石の後、濃茶、薄茶による茶会を催し、4日間におよんだ研究会の総括を行なった。
 研究会全体を通して指導に当たったお家元は、「茶事のスタイル、初座から後座へつながる全体の流れを学んだ。
二日目の研究会
家元を迎えて行なわれた江戸千家ロサンゼルス不白会研究会の2日目の茶席。亭主・新井宗京、半東・和具名幸子、正客・川上宗雪家元、二 客・シェルドン宗園、お詰・西村宗櫛
 点前ばかり稽古しているのでは なく、料理、酒、会話がポイントとなる茶会での初座は、話題の選び方、話の内容もさることながら、話し上手、聞き上手になるうえで勉強にも なる」とし、特に海外において、日本の学校教育はこれまで「静かにしなさい、話してはダメといったことが長く続けられてきたが、それが日本人の 話し下手にも影響したのでは」との感想を述べ、「初座では、正客も二客もお詰も、亭主と対話するために呼ばれているのですから、思うことを何でも話したら良いと思います」との解説を加えた。
 お家元はまた、細かい所作についても要所ごとに説明。半東が茶を出すタイミング、床の間の箱書きの扱い方などのほか、茶碗のサイズ、茶と湯の量についても「濃茶が余るのは恥ずかしいことではないが、足らなくなるのは恥」と説明、参会者からの質問にも一つひとつ答え、参会者が感想 を自由に述べあったりして、内容の濃い研究会となった。  (敬称略)
集合写真
皆で記念写真

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2011年7月9日

岩手不白会研究会レポート

家元招請研究会−【茶事の実践】

岩手不白会

 「茶事の実践」をテーマに家元招請研究会を行った岩手不白会の皆さんが、各席の茶事のレポートを提出されました。本コーナーでは2席のみ紹介します。
 この2席を含む全17席のレポートは、次の行のリンクをクリックするとご覧いただけます。
   ●岩手不白会研究会レポート(全17席)

レポート写真
◎茶事の実践研究会
   平成二十三年七月九日 小泉宅
    亭主 小泉恵雪
    客 藤原宗冨 黒沼宗美 平野たか子
(会記省略)
(客の感想)
 猛暑日の九日は、朝から蒸し暑い日でございました。小泉先生のお宅は小高いところで少々涼しげでございました。寄付で梅茶をいただき迎付のご案内で茶室へと……。まずお掛物に驚きました。軸いっぱいの滝の絵で、流れ落ちる音が聞こえてくる様で涼しさを感じました。家全体が夏模様で大変楽しい半日を過ごさせていただきました。
(亭主の感想)
 未曾有の惨事で心沈む日々、お客様と共に鎮魂の思いを込めてゆっくりとしたひと時をと、お道具合わせやお料理に心を砕きました。直前に、震災を案じた九州の友人から送られた食材を使いたく、苦労しました。お客様に助けていただいて、思い出深い一日となりました。

レポート写真2
◎茶事の実践研究会
    平成二十三年七月十日
 亭主 千田文雪
   客 長浜宗幸 高橋宗初 南宗園 浅沼宗洋
(会記省略)
(客の感想)
 自然の豊かさに囲まれ、お手づくりの材料でのおもてなし、楽しい会話に感激いたしました。初めての正客も皆さんと共に楽しく務めることができました。(宗幸)お庭から見え隠れする北上川、大木の緑、お席に心を戻すと別世界で本当に楽しいひとときでした(宗初)。三田先生がお話し下さる「お茶事は直心の交わり」を思い出しながら美味のお濃茶を頂戴しました(宗園)手づくり菓子は、私も日頃思っていたことで、とても感動しました。心がこもって最高でした(宗洋)
(亭主の感想)
 遠方につき、一時間早めてスタートさせていただきました。酷暑の折、涼風を呼び込み、また、大震災後の一刻も早い復興を〈祈る〉気持ちで道具組をしました。苦手な点心は新鮮さと地物に努め、特にお菓子は、緑陰を提供している栗、柿の木の実をお出ししました。お客様は雪輪会の皆様で、初めてお正客を務められる長浜さんも終始笑顔で語られ、直心の交わりができたように思いました。準備中に悩み多いお茶事も、お客様、水屋に助けられて楽しく無事に終えることができました。

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2011年6月12日

初めての亭主を務めて

家元招請研究会−【茶事の実践】

村田宗照(静岡不白会)

 この道にはいりまして何年になるでしょうか。若い頃から今日まで夫の経営する会社の仕事を手伝いながら、週に一度、先生のお宅に伺い、社中の皆さんとご一緒にお稽古の日々を楽しみにしておりました。茶通箱のお許しをいただいてから次々と許状をいただくにつれ、支部研修、家元の研修で、正客、相客振りなど勉強させていただき楽しんでおりました。
 今回、「茶の湯実践」研究会で、先生より亭主を是非やるように仰せつかり、大変困惑いたしました。私にできるかしら……。今になってただお稽古に通っていただけかということがわかりました。
 一体何から手を付けていいのか戸惑いました。家が新築中とあって、お道具はほとんどしまってあり思うように出せないのです。家元の「青峰」の軸がやっと捜し出せたときには、ほっとしました。
 掛物に始まって、他の道具の合わせ方、水屋に必要なもの、お料理と器、他、戸惑う事ばかりでした。一人で何から何まで支度することは、大変に難しい事でした。一度は他の人にお願いしようかとも思いましたが、皆様がお手伝いして下さるということで、させていただくことになりました。二、三の出せないお道具は先生にお借りする事になりました。
 振り返ってみれば大変だった事が思い出されますが、先生のご心配はいかばかりだったかと案じました。水屋は、社中の皆様のお手伝いがあったお陰で、拙いながらもなんとか亭主を務めることができましたことは、感謝の気持ちでいっぱいです。
 当日は緊張しましたが、お話も弾み、楽しい一時を過ごすことができました。これからは、家元のご指導を基本に、新しい家で、友人、知人をお招きして、茶の湯を通して心豊かな人生を歩み、人との触れ合いを大切にしたいと思います。

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2011年6月1日

茶の湯から得られるもの

家元招請研究会−【茶の湯実践】

有川宗良(群馬不白会)

茶事の実践
自然なやりとりの茶事を見学
 小さな庭に所狭しと植え込まれた茶花が、今年も何も変わることなく、自然の風に吹かれて咲き競ってくれました。
 数カ月前、まさに天変地異を思わせるほどの大地震に、また。毎日の様に続く余震には、身も心も縮みこみ、何一つ手に付かない日々でした。 地震に加え、あの大津波で被災された方々、また心を残し、思いを残し亡くなられた方々に、ただ、喪に服すという気持ちばかりが先に立ち、おろおろするばかりだったと思います。お茶会といえど、こんな時期に晴れ晴れしく着物でお出掛けは不謹慎かしら、ご近所の目は? 等、自粛する気持ちが先行しがちでした。でも、四月三日、東京不白会春の茶会に参加し、そこで、自分の思い込みの勘違いに気づきました。  共に嘆くばかりでなく、月並みな言葉ですが、前向きに自分のできることから行動することで、直接的ではなくとも被災地の皆さんを勇気づけたり、励ましになるのではと確信できました。
 また、六月一日に行われた群馬不白会家元招請研究会では、衣替えの単の着物も手伝って、心なし会員の皆さんも軽やかに晴れやかに感じました。この日は、家元教場研究会「実践」が課題でした。実演者は、家元研究会参加者がそこでの勉強の成果を、会員にご披露いただく趣向です。お家元(正客)、宮下支部長(次客)、河田副支部長(詰)と、会員にとってはこの上ない勉強会となりました。
 静かな清楚な名心庵好の四方棚に、小ぶりな優しい水指という取り合わせ。趣向を凝らしたお料理が足付の小さな膳に見事に盛り付けら運ばれました。亭主と客の極く自然なやり取り、膳の上の料理をいただく際の間の取り方、流れ等。参加者は、家元の一挙手一投足を見逃すまいと、また一言一言を聞き逃すまいと、真剣に聞き入っていました。
 実演終了後、「亭主は亭主になりきる」「客は客になりきる」という家元からのお話のがありました。実際に身体を動かし、立ち動く事の難しさを皆さんもしみじみ感じた事と思います。参加者全員が、全て理解したかのように大きく頷きなどしておりましたところ、家元から「返事だけは良いんですけどね」と一同を笑わせていただき、緊張感の中にも、とても有意義な一日となりました。

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2011年5月8日

今年の風炉の始まり

家元招請研究会−【茶事の実践】

上島宗愛(高知不白会)

亭主挨拶
まず、歓迎の挨拶
 ゴールデンウィークの余韻が残る五月八日、家元招請研究会が三翠園ホテルにて行われました。
 「何のためにお茶をするのか」。お家元のお話はこの一言から始まりました。自分自身に深く問いかけながら、私はお家元の一言一句に耳を傾け、そして、お当番の方の一挙一動を見つめました。
 亭主の挨拶が始まり、風炉を清め、お膳が運ばれました。ベネチアングラスの向付がとても爽やかで、今日の鬱陶しいお天気をはね返すようでした。私はいまだ体験したことがないので、今回のような亭主も席中にてのご相伴に、「こんなお茶事もいいなあ」と憧れます。
 続いて、お膳が下げられ、炭点前になりました。「何より大事なのはお濃茶を点てるときに釜の湯がよく沸いていること。このお茶事が成功か、そうでないかはそこにかかっている」とのお家元のお言葉が心の奥に残りました。
亭主も相伴で一献
亭主も相伴で一献
 今回のお茶事は見事成功のようで、お濃茶の入った凛とした白磁のお茶碗に、シュンシュンと音が鳴るお釜からお湯が注がれた瞬間、お茶の香りが広がり、私は深く息を吸い込みました。
 冒頭にお家元がお話しされたことを再び思い返しました。研究会の際のお茶事では、交わされる会話はぎこちないものになってしまうのは仕方のないことですが、実際に自分達だけで行う時でさえ、常にお点前に集中しがちです。ゆとりを持ち、さりげなく話を弾ませ、お客様と共にその場の空気に浸れるお茶事ができる人になれるように、精進を積み重ねて行きたいと強く思いました。とても有意義な「今年の風炉の始まり」でした。
 さて、私ども高知支部は、今秋の全国大会をお引き受けいたしております。遠路お出で下さる皆様を、我が家にお招きする気持ちで精一杯務めさせていただきたいと存じます。支部一同、心からお待ち申し上げております。

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2011年4月26日

招いて学ぶ

家元招請研究会−【茶事の実践】

久保山宗靖(佐賀不白会)

記念撮影
茶事のあとの記念撮影
 家元招請研究会「茶の湯の実践」でお家元をお招きする、突然の電話依頼。半信半疑に引き受けたものの不安でいっぱい。芝生の隅に別棟小間の茶室だけある我が家。
「茶はさびて心は厚くもてなせよ、道具は何時も有り合わせとせよ」。 恥をかいても勉強、と胆に銘じたものの、おもてなしの料理は? いかに今まで人に頼っていたかに気づかされました。早朝からあれこれと季節の野菜試行錯誤の末、盛は完了。準備が整い、来客前に東京でお世話になった恩師へ献茶をする。優しい先生の遺影と共にお家元をお迎えしたく。お家元、お客様二名、狭い我が家へようこそ。寄付はリビングで、茶室は二畳中板、恵風庵(万物を恵む春風)、昔々お家元につけていただいた庵号です。
 茶碗は、家元百碗展の織部で、炭点前、点心、濃茶と順次進行した。お家元と恩師との思い出話や、それぞれに会話も弾み、楽しい一時を過ごせ、茶の湯の醍醐味に浸りつつ、如何にお客様を心地よくお迎えするかを思いながら、楽しかった。「案ずるより…」
 学ぶ事の充実感、心地よい疲労感で安堵です。

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2011年4月24日

「空中茶会」

家元招請研究会−【茶事の実践】

原田宗晴(久留米不白会)

記念写真
席主へ記念の色紙が贈られた
 この度は、お家元をお招きしてのお濃茶の実践でした。マンションの十階という、和の風情どころか露地はなく、まして蹲踞もなく、下の階との兼ね合いもあり、炉は深く掘り下げられない、畳はマンションサイズの一回り小さめ、白い壁、侘び寂びはほど遠く……。
 試行錯誤の結果、ベランダには、青竹を編んでもらい、大振りの鉢を蹲踞に、大でまりの木と擬宝珠を添えに。
 初座は、早々に端午の節句のお軸にし、心ばかりのお凌ぎへ進み、楽しい一時を過ごしました。後座は、小さな床に、垂撥の代わりに作った煤竹に、白い山芍薬を掛花にし、お濃茶を亭主も交えていただき、楽しみました。
とあるお席
とあるお席で
 当日は、筑後の新緑の山々を眺めていただこうと期待していましたが、生憎、中国からの黄砂のシーズンではっきりお見せできなかった事が、心残りです。
 どなたかが、「空中のお茶会でした」と言っていただき、「ああ、空中の茶会を催したんだ」と、我に返った次第です。大変貴重な二時間でした。

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2011年4月20日

本番のお茶事が研究会

家元招請研究会−【茶事実践】

渡辺宗倫(神戸同好会)

入席後一献
遠方の客を迎えて、歓迎の一献
 神戸同好会が船出して、二回目の家元招請研究会が 四月二十日に行われました。神戸は人数が少ないので茶席は一席のみで、私共の茶室にて実践いたすことになりました。
 お家元様は八女不白会から神戸入りをされ、随行に『落暉残照』の筆者であられる足立淳雪氏を伴ってお越しになられました。足立氏は家元教場で二十年来の私の大先輩であり兄弟子に当たる方です。拙家には初めてのお越しですので、さっそくお正客は足立兄にと決めさせていただきました。ならばお次客はやはり遠方よりお越しいただける岡山支部の平野宗靖氏になっていただき、三客には社中から一名を決め、これでお客の三名が決まりました。
 お稽古茶会とはいえ、遠方からお客様をお迎えすることになり、私には本番のお茶事の実践となりました。
 日取りとお客様の顔ぶれが決まると、当日を迎えるまで私の頭の中は昼も夜も、床の飾り、道具のこと、料理のことで一杯になり、何度イエス、ノーを繰り返したことでしょう。果たしてこの迷いの苦しみの果てに何が残ると言うのでしょうか。
 とうとう後戻り出来ない茶会当日を迎えました。寄付きは不白と如心斎ゆかりの玉林院ご住職森幹盛氏筆の「無事是貴人」の色紙を掛け、お床には、お家元様の「一座建立」の軸。これは亭主役を仰せ付かった時に決めていました。
記念撮影
研究会を終えて記念撮影
 初座の挨拶は稽古では形式的なやり取りになりがちですが、今日は本物のお客様をお迎えしましたので、和いだ雰囲気でスタートすることができました。もうすぐ炉も終わるので透木に不白好みの富士形羽釜を懸けて、お棚は霞棚に舞子焼きの四方水指を飾り、向こうには遠山絵の風炉先を置きました。
 お炭点前の後、一献のご挨拶をして、膳の運び出しとなります。八寸程度の膳なので、皆様あっという間に召し上がられてしまい、お家元様からゆっくりと会話を楽しみながら、お酒を味わい時間をかけて食べてくださいとご指摘がありました。
 後座の席入りの後、クライマックスのお濃茶です。釜の蓋を開けると富士釜から垂直に湯気が立ち上り、お煮えが付いてよかったと安堵しながら自服いたしました。
 お正客様がお話し上手でタイミングよくリードして下さいました。次客様にも助けていただき、楽しいお席にして頂き感謝です。お客様の力って偉大です。大変勉強になりました。
 先にこの迷いの苦しみの果てに何が残るのかと自問しましたが、今日の答えは「遠方より友来る、また楽しからずや」でした。
 今年、家元教場研究会では茶会記の読み合わせを行っています。研究会の締めくくりとして、倣ってこの度の自会記を書いてみようと思います。

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神戸の研究会に参加して

家元招請研究会−【茶事実践】

景山典子(岡山不白会)

記念撮影
花に囲まれた神戸の研究会会場で
 神戸の渡辺先生宅で行われた研究会に、岡山支部より広野先生と共に参加させていただきました。
 他県での会ははじめての参加でしたのでワクワク感と緊張感で前日の夜は眠れない程でした。
 当日は新幹線で岡山県より新神戸駅に着くとお弟子さんにお迎えをいただき、さっそくお車で渡辺先生宅へとご案内いただきました。始めてみる神戸の町並みは目を見張るほどでした。
 お宅に到着し渡辺先生はじめ社中の方々にご挨拶申し上げますと、「初めましてですね」と笑顔でご返礼いただき、少し緊張感がほぐれてきました。
 研究会は茶事の亭主と半東の作法を見学させていただきました。
 まずお家元より、茶事とは食事とお酒をゆっくり嗜み会話を楽しむこととのことでした。
 しかし普段のお稽古では、難しい部分もあるので、まずは基本のお点前の勉強をしっかりとすることだと感じました。
 茶道とは掃除とお料理と相手への心遣いと全てにおいて、日常生活に反映できることだと改めて感じました。
 私自身数年前では茶道の基本というよりもその場、その場に身をゆだねて勉強していた事に気づかされた次第です。
 さらに東日本大震災の報道に接し改めて自身の行動を省みて、被災者の方々への心の支援をいたしたいと、この研究会に望んで、強く感じた次第です。
 この度は、これまでの自らの生活を振り返る素晴らしい機会を与えていただき本当に感銘の多い勉強会でございました。
 

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2011年4月18日

はじめての亭主

家元招請研究会−【茶事の実践】

田島宗美(八女不白会)

とある茶席の寄付
とある茶席の寄付
 午前中は各自宅にても茶事、午後は亭主客共に一堂に会し、反省会、その反省会会場に茶室があり、自宅が遠方等の理由で席を持てない方が利用してはと、一席設けることになったそうです。
 三月の中旬、「持ち出す道具は少なく、気軽な席にするので亭主を」と声かけをしていただきました。
一献のやりとり
とある茶席での一献
 せっかく先生からいただいた機会なので、できないながらにがんばってみることにしました。
 「盆点てでお濃茶を、点心は花見弁当のお重を利用しましょう」と先生より助言をいただき、お席の準備がはじまりました。会場と兼ねあう取り合わせ、「火が使えないからお炭に代わるものを」と色々なおもてなしの仕方を教えていただきました。お客様に楽しんでいただくようにと瓶かけの火を蝋燭にし、食材も季節のものを取り合わせました。
一献その2
 先生をはじめ半東さんの助けがあり、お客様の温かい支援のおかげでどうにか無事に終わることができました。大変な中に楽しんでいる自分がいました。お茶をされている方々が、大変だけど、と言いながら長年続けられている気持ちがわかるような気がしました。
 お家元からは、「信」の字をいただきました。添えのお言葉に「他をあざむかない」とあり、お茶に限らず、何事にも自分を信じ相手を信じて生きていきたいと思いました。
 このような機会をいただいたことにとても感謝するとともに、よき機会を大切にし、何事にも積極的に参加していこうと思いました。

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2011年4月17日

亭主十分の楽しみ

家元招請研究会−【茶事の実践】

井上宗朝(福岡不白会)

亭主挨拶
初めての亭主 神妙に挨拶
 もてなす場もなく、ろくな茶道具も持っていない自分が、研究会ではあるが亭主を務めることとなった。これまで場所も道具もないからと固辞していたが、「場所と道具はうちのを使えば良いし、あなたは茶碗さえ持ってくればいいのよ」という師匠の黒岩宗富先生の一言に外堀は埋められ、また、水屋は先生が、半島は稽古仲間で一緒に看板を取った高田映雪さんが引き受けてくださり、三人四脚でならばと、腹をくくることとした。姉の影響で家元に入門して七年、就職で福岡に来て七年、三年前に立派なお名前を頂戴したが、結論から述べると、家元には申し訳ないが看板倒れの茶事となった。
 場所は先生宅の三畳台目の柳絮庵を使わせていただいた。柳絮庵は福岡での茶の湯の師匠、宗富先生のご母堂で、二年前に亡くなられた黒岩宗如先生の庵号で、今でも柳絮のごとくふわふわと見守ってくださる感じがしており、最初の茶事をここで出来た事はとても幸せであった。いつもやさしく、時に厳しくご指導下さり、また、流派を超えいろいろな方をご紹介下さり、茶の湯の楽しさを教えていただいた。
 床には、宗富先生が家元から頂戴した色紙を軸装したものを掛けさせていただいた。
 「只 ひたすらに 茶の湯の心」
 憧れの境地だが自分の信条から一番遠い心持ちであり、いっそう茶の湯に励まねばならぬと自分への戒めとした。茶碗は、叔父の正雄が就職祝いに福岡でも茶の湯を続けるようにと贈ってくれた唐津を用いた。大ぶりの茶碗で濃茶にはもってこいであった。茶杓は、看板をいただいたときにお礼として稽古仲間五名で宗如先生に差し上げた「四睡」の茶杓から、自分の干支にちなんで「虎」を使わせていただいた。
点心
渾身の料理も並ぶ
 宗富先生から「話の種となるから何かお料理一品作ったら?」と言われ途方に暮れたが、行きつけのバーで簡単にできるつまみについてあれこれと相談し、黒豆のクリームチーズ和えと燻製を作ることとした。黒豆とクリームチーズはただ同量を混ぜるだけであるし、燻製は下ごしらえをした材料をセットし燻製チップに火を付ければあとは待つだけで簡単にできる。間違いなく話の種になると意気込み研究会に向けてお点前そっちのけで何度も練習した。大学の教え子達からは「先生また燻製ですか! 僕たちを燻し出さないで下さい」と言われつつ、「まぁまぁ」といろいろ毒味をさせ、燻製する材料をチーズ、ゆで卵と海老に決定した。
 正客次客は気心の知れた福岡不白会の姫野宗和さん、青木宗薫先生のお二人、お詰めの随行の播磨さんとは直門を離れて以来八年ぶりの再会で、人も場所も道具も裏方もすべてが万端に整い、あとは亭主である自分次第となった。結論はすでに述べている通り失敗の連続であったし緊張してあまりよく覚えていないが、なにせ楽しかった。お三方には申し訳ないが、一番楽しんでいた気がする。亭主十分の楽しみでなければ良いのだが。

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