2017年10月7日
家元の色紙を掲げて一席
福士宗久(岩手不白会)
「みちのくの 秋刀魚とどきし 舌づつみ」
家元からいただいた我が家の宝です。
十月七日、盛岡市の上田公民館まつりで立礼席を持つ機会があり、掛けさせて頂きました。当日は肌寒く雨模様でしたが公民館を利用しているお年寄りのご夫婦や子供連れのお母さんなど大勢が訪れ、栗しぼりのお菓子と暖かい抹茶を召し上がっていただきました。
中には、抹茶がこんなにおいしいとは知りませんでした。お代わりできますか、と尋ね、おいしそうにいただくおじいさんもいました。
今年は秋刀魚が不漁で水揚げされても細身が多く、家元が描かれた秋刀魚は脂が充分にのって美味しそうなので、お客様には目で秋刀魚を、舌で八女の抹茶を味わっていただくことができました。
迎える私達は同期の仲間、阿吽の呼吸で足りないところは笑顔と声を掛け合い、一期一会の茶席を務めました。終えてみて、このような茶席は初めてだったがとても楽しかったと話されたお年寄りの言葉が嬉しかったです。
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2017年10月1日
実践「自宅の茶」
家元招請研究会
嶋本ふみ枝(熊谷不白会)
爽やかな秋晴れの佳き日、お客様にはるばる籠原までおいでいただきました。家元に「どうぞご主人もご一緒に」とお声がけいただき、お言葉に甘えて、一献茶事に初座からお相伴させていただきました。家元には明るく和やかな雰囲気を作っていただき、気持ちが和み、平常心でお濃茶を点てることができました。数カ月前から庭の草取り、茶室の片付け設え、一献のメニュー、器選び等々、苦労と思っていたことが、ある時私の中で、楽しみに変わっていったように感じます。これを機に「自宅の茶」を是非実践していきたいと思いました。
〈主人からのお礼の言葉〉
「お茶」とは、礼儀、形式美を重んじ、サヤサヤと竹林を渡る風、チンチンと鳴る湯の音に耳を澄まし、静謐なひと時を過ごし、心を磨くもの。従って自分とは遠い世界、というのが私の考えでしたが、毎晩毎晩寝床でお茶の本を読み、作法を繰り返している家内を見ていると、家庭平和の為にもこれは協力しないわけにはいかないと思い、当日は力不足ながら、家元にご挨拶させていただきました。家元には気さくに対応いただき、不躾ながらお茶を飲む作法をお尋ねしたところ、「お茶碗を両手で大切にいただき、ゆっくり味わいながら飲むこと」とお教えいただきました。このお言葉を今後の私のお茶に対する心構えとし、家内と共にお茶の道を楽しみたいと思います。
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