2016年7月24日
千宗屋先生の審美眼に学んで
吉田英津子(新潟不白会)
去る七月二十四日、武者小路千家官休庵十五代家元後嗣 千宗屋先生をお迎えし、講演会「茶碗との語らい~飲みたい茶碗、点てたい茶碗」を開催いたしました。茶道具のみならず古美術や現代アートにも造詣が深い宗屋先生のお話をお聞きできる貴重な機会であり、当日、会場の万代シルバーホテルは流派を超えた約三百人もの皆様の熱気に溢れておりました。
講演会は博之様がかつて官休庵で四年間学ばれたご縁から実現したもので、宗屋先生と私共をお繋ぎくださった博之様に心より御礼申し上げます。
宗屋先生のお話はたいへんわかりやすく、人を引きつける魅力がございました。溜息が出るほど美しい茶碗の写真の数々、豊富な知識……茶道具の世界の奥深さを堪能させていただきました。先生は『芸術新潮』で連載執筆中とのことで、ぜひ皆様もご覧いただけたらと存じます。
また講演前、皆様へテーブル茶のお席が用意され、各テーブルの亭主がそれぞれ趣向を凝らしたおもてなしは大好評でした。
学びを得ることの素晴らしさ、幸せを感じた一日となりました。
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2016年7月23日
研究会に参加して半東を学ぶ
家元招請研究会
藤田宗松(福岡不白会)
七月二十三日、日本庭園において、午前中は体操、午後は家元による濃茶のお盆点てテーブル茶でした。
家元はご自身でテーブルのセッティング、花入替え、ご持参の中村宗哲の棗(宝暦年間作、片身替わりの仕服付)に抹茶を入れ、お膳の点検等をされました。八寸の量などは時によって増減することを自分なりに納得することができました。家元はお客様にご挨拶ののちお膳を運び出します。私も半東としてお手伝いいたしました。お酒も出、勧め上手の家元の話に、和やかに談話もはずんでおりました。
銅鑼の音で背筋と気持ちが引き締まります。床には「白雲抱幽石」が掛かり、竹籠に赤水引、岡虎の尾、仙翁華が置かれています。テーブルには、栃の木盆の中央に濃茶器が、テーブル下の左側にポットが置きつけてあります。平茶碗に茶杓、茶筌、茶巾等が仕組まれて持ち出され濃茶の点前が始まりました。家元ご持参の川喜田半泥子作の白い平茶碗にたっぷりときれいに練り上げられたお茶に皆さんの感動の声が上がりました。
お家元の「お客様へのおもてなしはいつも真剣ですよ」という言葉に深く納得いたしました。梅雨明けの明るく華やかなお席でした。
半東としては、膳や菓子を持ち出すときの間、座る位置などが気になりました。テーブル茶でもできる濃茶の点前の経験を積んで、身に付けていきたいと思いました。
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2016年7月3日
茶箱の濃茶点前を学ぶ
博子先生招請研究会
工藤宗幸(青森不白会)
夏とはいえ涼しい七月はじめ、博子先生をお招きしての研究会が青森市善知鳥神社で開催されました。今年は何年か振りに課題は茶箱でした。お盆に乗せた場合、掛子を使ってのお点前、拝見がある場合、ない場合、またそれぞれの道具を置く位置も違いますし、細々とした所作等ご注意を受けながら、とても丁寧にご指導いただきました。特に濃茶ははじめてという方も多く、私も初心者のような気持ちで教えていただきました。家元のおっしゃるように、この頃は住居に和室のないことも多くテーブルの上でお盆にお箱をかざって濃茶ができますことはお客様としても亭主としても、襟を正すような気持ちながら、気軽に取り組め喜ばしいことと思いました。
博子先生は少しの合間をぬって、松葉杖をつきながらの参会者にやさしく「大丈夫ですか」とお言葉をかけてくださったとのこと。そこここに細やかなお茶の心を教えられた一日でした。
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