2010年10月24日
「濃茶の基本」亭主と半東
家元招請研究会−【基本】
八女不白会
中立後、床屋炉辺を整える
○亭主として…野口宗千
風炉の濃茶点前が課題です。お家元が奨められている亭主も相伴する新しい濃茶、心をこめて練り上げた艶やかな濃茶をお客様だけに飲んでもらうのではなく亭主も喫する、共に味わう、研究会席中での張りつめた空気の中で濃茶を口にした時、体中に安堵の気持ちが流れました。
きっとお客様と同じ気持ち、同じ思いなのだと実感いたしました。自分の点てた茶の具合を確かめながら程よくのどをうるおして通るお茶に無事お点前が済んだことの安心と喜びで一杯でした。まさに一味同心! 新しい濃茶のあり方早速お稽古に取り入れてみようと楽しみです。
今年の研究会のテーマの一つ、亭主相伴
○半東を担当して…大久保世紀子
以前から自分の立居に不安を感じていたので、よい機会だと思いました。先生方より幾度かお稽古させていただくうちに、半東の「目立たず、急がず、遅れず」の大変さに驚きました。
当日、大勢の方達が見守る中、緊張でぎこちない半東でしたが、家元の指導を受け、無事に務めを果たすことができました。未だ未だこれから……「常」こそ大事と思い当たりました。
立居は、私の永遠のテーマとなりそうです。
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2010年10月23日
名残の茶会
西村宗櫛(ロサンゼルス不白会)
やぶれ風炉にて炭点前
(ロサンゼルス不白会西村宗櫛氏が主催した「名残の茶会」が,現地の日本語新聞「羅府新報」に掲載されました。転載します。 編)
茶道江戸千家ロサンゼルス不白会の西村宗櫛社中は十月二十三日、「名残りの茶会」を西村宗櫛宅「錦泉庵」で開催した。「仲秋の名月」を祝う茶会におよそ三十人が参加し、日本の風物詩を堪能する茶席となった。
ベランダで月見、初座で点心懐石のあと炭点前と続き、濃茶席では乗富克久さんが亭主を務め、厳かな雰囲気漂う茶室に十七人の客を迎え入れた。床に掛けられたのは十代川上宗雪筆の「中秋」、時代籠の花入に飾られたすすきと菊が秋の彩りを添える。
香合は名月・吉向窯七世松月、香は秋篠、釜は惣霰地紋鶴首釜・菊池正直作のやぶれ風炉。水指は享保の高取焼細一重口、茶入は宗胡録耳付き写し、茶碗は李朝、替には李朝・高取を使用。茶杓は松斉作の輪島塗の秋もみじ、茶は星野園の星の奥が使われた。茶道を習い始めて十年という乗富さんは、一つひとつ美しい所作で茶を点てていく。
濃茶席のしつらい
薄茶席はお盆付き茶箱で行われ、椎名宗梨さんが亭主、半東を兼子宗理さんが担当。釜は薩摩焼と銀瓶、茶箱は利休形竹蒔絵茶箱・皆具、茶碗は亀甲繋ぎ名月、仕服に奈良古代切れを使用。また茶杓に秋草、茶は星野園の星峰が使われた。松山夕貴子さんの琴の演奏とともに行われた薄茶席は野点風立礼席で行われ、濃茶とはまた違う薄茶の味わいを金平糖と干菓子「秋の吹き寄せ」とともに堪能した。
茶席参加者は日本人だけでなく、渡米してまだ一年というモンゴル人のソゴ・ガンゼンさんは茶席を終え、「日本の伝統文化を体験し、あらためてその素晴らしさを実感できた。また参加したい」と述べ、はじめての茶会を楽しんだ。
濃茶点前
同じく初参加者のミシュエル・ウォンさんは、「畳のある本格的な茶室で茶道を体験でき、まるで日本にいるかのようだった。濃茶の味は苦かったが飲んだ後、身体が浄化されていくような感覚を味わえた」と語り、はじめての茶会を満喫した様子をみせた。
西村宗櫛氏は参加者に対し「日本の伝統文化のひとつである茶道に興味を持ってくれたことをうれしく思います」と謝意を表し、「これからもぜひ参加し、茶道を楽しんでほしい」と今後の継続的な参加を呼びかけた。心温まるもてなしに、参加者一同から感謝するとともに、日本の伝統行事の茶道の奥ゆかしさを再認識する日となった。
立礼の薄茶席
点心を楽しむ
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2010年10月17日
貴人清次-台天目との共通性と相違点-
宗康先生招請研究会−【貴人清次】
竹花宗昭(岩手不白会)
研究会に先立ち、澤野支部長より蓮鶴先生の遺影にお茶が供えられた
はじめに、お床には蓮鶴先生のご遺影と、白いお花が飾られ、支部長の澤野先生が御丁重に供茶をされた後、全員で黙祷をいたし、ご冥福をお祈りいたしました。
テーマは「台天目と貴人清次」。ともに貴人点ながら、その違いは何か? 身分制度のはっきりしていた時代の貴人と清次のあり方など興味深いお話でした。茶会に貴人をお迎えした時、清次の礼節と心配り、清次以下の客同士は極力無言。お点前をする方の心遣いとして貴人にお茶を差し上げるには、新しい道具でお点前をすることを心がける、など、現代にも通じる大切な作法と思われました。
実践として、及台子に皆具、新しい木地の天目台と天目茶碗、高坏の菓子器と貴人をお迎えするための準備をしました。
清次が、亭主の点てた茶を貴人に呈する
しかし、お点前側が不勉強のため、台天目と貴人清次の点前が曖昧で、先生が途中でその違いを丁寧にご指導下さいました。また、清次がいる場合でも、半東が茶室の通口外に控えていることが大事であることも話されました。
貴人、清次、お詰、そして亭主と半東がそれぞれに学びながら役目を果たすことができてほっとしております。
宗康先生が「母が見ておりますので……」と何度もおっしゃっていらしたのが印象に残りました。ご遺影が静かに微笑んで私どもの研究会の様子をごらんになっておられました。
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