2010年9月26日
「一味同心」を実感した日
家元招請研究会−【炭、濃茶、薄茶】
児玉宗純(山形不白会)
連日の猛暑日からやっと解放されて、秋の気配を感じるようになった九月二十六日、家元招請研究会が長井市のホテルで開催されました。課題は、「炭、濃茶、薄茶」です。
今回は、主も濃茶を相伴する勉強です。私は、亭主をおおせつかりましたので、お客様との一体感を大切に、考えることに致しました。
当日はまず、体操と呼吸法、立居を学び、ゆっくり、じっくり呼吸を整えての動きに、心が落ち着きすっきりとしました。普段から息を深く吐き出すこととバランスのとれた動きは意識したいと思います。
お濃茶を手回しで送る
茶室「五山草爐」に全員移動して、勉強会が始まりました。
床のお軸は、名心庵筆「天海無尽」。いよいよ初座です。お客様が席入りされ、流れに沿って進みました。炭点前では、濃茶の時の湯相を計る合理的な炭の組み方と、炉と風炉で用いる灰器の灰のことなどをご指導いただき、みなさんがうなずいておられました。お客様との会話はなごやかで、後座で濃茶をいただくには良い雰囲気だったと思います。
後座に入り、点前が始まり途中区切られてお家元の見本点前を拝見し、やはり目的意識が大切であることを再確認しました。
「相伴いたします」は、声に出して相手に伝えること。茶を練る時は、最初の湯をたっぷりと後の湯はゆるめる程度にと指摘され、深く理解できました。
私の点てたお茶が、私の元に差し出され一口いただいた時、ようやくほっとした気持ちになりました。主と客が一碗を介していただく茶事は、亭主にとってもお客様にとっても格別でしたし新鮮でした。心に残る「一味同心」でした。亭主の心得、難しさも実感した一日となりました。
カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「「一味同心」を実感した日」のリンク
2010年9月21日
基本の基
家元招請研究会−【濃茶の基本】
中原宗美(青森不白会)
濃茶点前の流れを熱心に見学
例年にない猛暑に見舞われた北の地も、やっと虫の声が似合う季節となりました敬老の日、今年度二回目の研究会が青森市において開催されました。
研究会初担当となる私たちは、緊張と不安の余りつい早口の小走りになりがちでしたが、家元ご指導による柔軟体操と呼吸法によって、身体のコリは少し解消された気はするものの、呼吸はまだ長息には至らないまま、お客様をお迎えいたしました。
炭点前では、下火の大切さ、また拝見の間に空気を通すことで火を起こしやすくするという意味について、そして、お濃茶のときにうまく湯が湧くよう炭火を持続させるための炭の量の工夫等を学びました。
本年度研究会課題の亭主相伴
お濃茶では、服紗捌き、茶杓の清め方、茶筌通しのお手本を、点前の途中途中で示してくださいました。さらに、お茶事では大目のお茶を用い、練り方が美味しさの秘訣であること、無言のお茶とはいえ、適度な会話の必要性等、細かくご指導下さいました。また、今年のポイントである亭主お相伴は、新鮮で納得のいくものでした。
研究会に参加して、今回も自分の認識不足を痛感させられました。特に、基本をお点前の手順であり、所作と考え、その習熟にのみとらわれ、茶事の流れの中でとらえ切れておりませんでした。お迎えしたお客様におもてなしの心を伝え、心和むお茶事とするための基本磨きであることを、遅まきながら気づかされた一日でした。そして、溜め息混じりの長息ですが、お茶に対する思いをじっくり見直す貴重な機会をいただけたことに感謝しております。
青森の前日、同内容の研究会が七戸不白会でも催された
床の間に置かれた家元ご持参の秋の虫「邯鄲」の替わりにとご披露下さいました家元の横笛の音が私たちの不足分を補い、皆様を癒していただけたようで何よりでした。
東京の地で、ゆったりと美声を響かせてるであろう邯鄲に思いを巡らせつつ報告とさせていただきます。
カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「基本の基」のリンク
2010年9月19日
基本の点前を学んで
家元招請研究会−【基本】
古舘ヨネ(七戸不白会)
点前の要所要所で家元による見本点前が行われる
基本の点前の研究会で、亭主を務めさせていただきました。掛軸はお家元御自筆の「喫茶往来」、雲鶴棚、雪輪紋入り風炉釜という取り合わせで始まりました。陰の支度では、びく形花入籠に秋の草花を生けましたが、思うようにできずお家元よりご指導いただきました。いつも行っていることでも人前で行う事の難しさを痛感させられました。
濃茶点前では途中でお家元が四方捌き、茶筌通しのお手本を示してくださり、流れるような動きの中で道具を一つ一つ丁寧に扱う様子を間近で見ることができとても勉強になりました。
亭主役、客役から、さまざまな感想が述べられる
主客との問答もなかなか言葉が出ず、正客の優しい笑顔の声かけに助けていただきました。会話は自然に季節の話題等がよいでしょうとの事でした。薄茶点前では、雰囲気も一変しそれぞれが会話を楽しみながらの一服でした。その中には卒寿を迎えられた盛田支部長の慈しみに満ちた眼差しがありました。
反省するときりがありませんが、貴重な経験の中で得たものを糧にこれからの稽古を続けてまいりたいと思います。
カテゴリー:研究会/家元招請研究会 「基本の点前を学んで」のリンク
2010年9月4日
妙高天心茶会バス旅行に参加して
幸田宗陽(福島不白会)
天心山荘茶室
天心山荘の周辺は、下草が借り上げられた清々しさの中に、夏の侘びた残花と、初秋の花々が入り混じり猛暑の中にも高原の少し早い秋を感じさせてくれました。
「美の国からの美のための大使……天心。妙高高原こそなり、霊感満ち満つ世界一! 世界一の景勝の地!」との案内板を目にして、ここはそういう土地なのかと、記憶にとどめ山荘に向かいました。
お家元の供茶式が厳かに始まり、六角堂の天心像の前に捧げられた白天目の前で、袴姿に式章を懸け、般若経を唱える会員の方のうしろで、今ここに参加できました幸せに感謝致しました。
天心山荘のお席は、一行づつ替わる金と銀の法華経のお軸、端正な文字の並びに心の引き締まる思いが致しました。
視線を落とすと、野の花に囲まれて真ん中に納まった濃いピンクの蕾の蓮が、経筒の緑青に清楚さを一層映えさせて心和ませてくれました。右脇床には観音様。
「天心は美術品を自分のためには収集しなかったが、同じ興福寺の千体仏をひとつ持っておられた」とのお話しを伺い、合掌しながら観音様に対う前客のお姿に安堵感をつのらせながら拝しました。
欠けた左手には何をお持ちになられていたのでしょうか?
席主の天心への心のこもった床の飾りに早くも温かい気持ちでいっぱいになりました。九年の間には、と、お正客様のお話によると「山から押し寄せてきた雲が、そのまま茶室を通り抜けていったときもあったとか。雲龍に乗って天心の魂が御礼に現れたに違いない。そして月の夜ではないが、霧の中、プリヤンヴァダ夫人の足音を、いや、プリヤンヴァダ夫人の詩を聞いていたのかも知れないと、三方開け放たれた高い和室に座して、はるか斑尾の連なる山々をぼんやり眺めながら、解放された頭で思い巡らせてしまいました。この地は不思議が不思議でない地なのだから。
替茶碗、蝶の絵の荘子。夢なのか、自分が蝶なのか、蝶が自分なのか、のご説明に、昨日見学した光悦作「不二山」は、離れて富士山と感じるのではなく、茶碗それ自身が富士山だったのかと思えてきました。
諏訪大社の参拝、サンリツ服部美術館見学、そしておいしかった昼食、私たちの満足の顔に「本番は明日ですよ」とお家元が一言。
その本番は、限られた時間でしたのに、なぜかゆったりとした長いときを過ごした様に感じました。細かく泡立てられたお抹茶ののど越しのなめらかな味わいに、これが本番なのだとうなづきました。
カテゴリー:行事・茶会 「妙高天心茶会バス旅行に参加して」のリンク