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2009年5月31日

名物飾りを学ぶ

宗康先生招請研究会−【小習十三箇條】

高田不白会

名物の扱い
名物茶入の拝見の所作を学ぶ
 【亭主役として】
 普段の茶入の扱いと異なり、「伝来品」の茶入を四方盆に載せ、床に飾り、その茶入をお正客の前で心を込め丁寧に清めました。
 お客様が名物茶入を拝見される前に、亭主は茶入について、お話は控えるように、と説明をいただきました。このことが一番私の心の中に残っております。
 また「お道具を置くときは丁寧ですが、道具を離す時の手が早すぎます」というご指摘もありました。また茶入の清め方など、意義深い研究会となりました。(川崎翠雪)
 【客として】
 今回はじめて「名物飾り」の客として参加しました。茶入は古丹波の名品で、小堀遠州公が銘名されたという「生野」という濃茶入を目にしました。
 穏やかな撫で肩で耳の付き方が面白く、品の良い置形をし明るい釉が溶け込むようでした。貴重な茶入に対しますと、自ずと敬意の気持ちが動作に表れます(小池博雪)。
青森での名物飾り
青森不白会でも同様の課題で研究会が行われた(7月12日)
服紗裁き

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2009年5月30日

亭主の役割を終えて

家元招請研究会−【風炉の正午の茶事】

野口宗都(佐賀不白会)

家元講義
最初に行われた家元による講義
 長期間、皆で準備を重ねての研究会で、私は亭主の役割をいただきました。当初は緊張しておりましたが、次第に体もスムーズに動くようになり、もう随分前ですが茶懐石のお稽古をした様子が頭の中に浮かんできました。
 お茶事の流れの一つ一つがお客様とのお互いの心をつなぎ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。炭点前では湯が丁度よく沸くよう注意し、お家元より炭の様子を尋ねられたときは、火の具合もよかったのでホッといたしました。
 初めての場所でしたので、点前座、お客の位置、待合の位置などが、その場に応じてどうなるか、お家元からご指導いただき、とても勉強になりました。
 また、それぞれの役割が一つになって茶事が成立することを、達成感と共に感じました。無事終わった帰り道では、皆苦労も忘れ、笑顔でした。
八寸
八寸には海のものと山のものとが並ぶ
千鳥の盃
主客やりとり

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2009年5月26日

岩手不白会恒例の桜山神社大茶盛−南部会長を偲ぶ

福士宗信(岩手不白会)

 五月二十六日に盛岡市の桜山神社で、春の例大祭が行われ、神社の大広間では恒例の江戸千家岩手不白会による大茶盛がにぎやかに行われました。
 この桜山神社は南部家の鎮守の神社で、春の例大祭では南部家当主が武者姿で白馬にまたがり、市内を勇壮に行列します。江戸千家岩手不白会会長で南部家第四十五代当主の南部利昭さんが馬上からにこやかな笑顔で手を振る姿はとても素晴らしく、沿道の市民から〈南部のお殿様〉と声が掛かるほどの人気です。
 大茶盛は、盛岡城築城四百年記念の一九九七年に、南部利昭会長から、是非お茶会をとのお話があり、三田宗明名誉会長が発案して始まりました。大きなお道具点ての大茶盛で、神社をお参りする人たちにおいしいお茶を味わっていただき、さらに神社のご加護をというものです。以来、恒例行事となり、大茶盛を楽しみに訪れる市民が増えています。
 南部利昭会長のお声がかりで始まった桜山神社の大茶盛ですが、今年一月七日に突然、南部会長が靖国神社の執務室で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
 このため、今年の大茶盛では床の間に南部会長の遺影を飾り、お軸は南部会長の祖父の利恭(としゆき)様の書を掲げました。はじめに、供茶を捧げ南部会長を偲びました。その後、男性陣が大きなお茶碗でお茶を点て訪れた人たちに大茶盛を振る舞いました。
 直径およそ三十センチの大きな茶碗に、大きな茶杓でふたつほどのお茶を入れ、大きな柄杓で二杯ほどの湯を入れ、大茶筌でゆっくりと豪快に点てます。一度におよそ十人分のお茶ができあがり、お運びの男性がお手伝いをしながらお客様にゆっくり飲んでいただきます。
 中には一人で大きなお茶碗を持ち上げマイペースで大茶盛を楽しむ人もいます。大茶盛をいただきた人のほとんどは、普通のお茶碗のときよりもお茶が甘いですね、とてもおいしいです、と話していました。なぜ甘いのでしょうかと聞かれて、私どもは南部様の皆様を思う優しい気持ちがより一層お茶をおいしくしているのではと話し、突然お亡くなりになった南部利昭会長を偲びました。
大茶盛風景
南部家46代の利文(としふみ)様も奥様と共に大茶盛を楽しまれた
大茶盛風景2

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2009年5月25日

おなかも心も満たされて–茶懐石マナー教室体験

菊地 和子(福島不白会)

寄付にて
まず、寄付で白湯をいただく
 四月に福島不白会家元招請研究会で、「正午の茶事」が取り上げられました。私は楽しみにしていましたが、参加できずとても残念に思っていました。その折、先生から「柿傳の茶懐石」の話を聞き、私たち九名は「茶懐石マナー教室」に行くことになりました。
 「柿傳」(都内の懐石料理店)の待合に通された時、都会の真ん中にこのような静けさがあるのに驚き、またマナー教室なのに皆緊張しているのがわかりました。いよいよ茶室へ。正客に見習って全員がぎこちなく席入しました。茶室は、「青嵐」の軸、「芍薬、撫子、縞葦」の花々で設え、私たちを爽やかな気分にしてくれました。
 私は、茶懐石は初めてなので、「マナー教室」では多くのことを学べました。
一、飯椀と汁椀の蓋を両手で取り、それらを合わせて汁碗右側に直線になるように置くこと。
二、ご飯は、出されたものを一口残しておく心遣いが必要なこと。
三、お替わりの飯器の蓋をお詰めへ送ること。ご飯は、自分ですくって飯椀へつぐこと。
四、小吸物は、別名箸洗いともいうそうで、口を直すのと同時に箸を清めること。
記念写真
記念に皆で写真撮影
五、最後に湯桶と香物が出て、おこげと湯を飯椀に入れぶぶ漬けにしていただくこと。これで椀をきれいにすること。
六、椀、蓋、皿等懐紙で清めること。
七、箸音で終わりを告げること等々、特に印象に残りました。(後日、この作法は表千家流で、江戸千家とは違う点があることを先生から説明を受けました)
 懐石料理の所作等は、禅の作法の影響があるらしく、料理は空腹を満たす程度だそうですが、今回は、進肴も加わり豪華な食膳になりました。さらにお酒も入りましたが、すべての料理を残さずいただきました。
 季節の食材の料理、亭主の「温かいものは温かいうちに」の心からのおもてなしに、おなかも心も充分に満たされた一日でした。

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2009年5月24日

「茶筌飾り」「仕組茶碗」を学ぶ

宗康先生招請研究会−【小習十三箇條から】

熊谷不白会

茶碗を飾る
茶巾と茶入を仕組んだ茶碗を飾る
茶筌飾りの趣向でお点前
茶筌飾りの趣向でお点前

 ●五月二十四日、本庄市児玉に宗康先生をお迎えして研究会を行いました。午前に「茶筌飾り」、午後には「仕組茶碗」を学びました。
 茶筌飾りには由緒ある茶碗が用いられ、初座の床に飾られました。茶碗に服紗ではなく茶巾を入れ、茶入を仕組み飾るのは初めての経験でした。
 客、中立ちの後、亭主により陰の仕事として茶筌が飾られ、後座となりました。茶碗を大事に扱う丁寧な点前が行われ、客は格別な一服を味わいました。
 宗康先生からは茶筌飾りの目的として、名物等の道具や亭主の趣向による点前である旨ご説明があり、また、初座での茶碗飾り、茶入飾り、茶杓飾りも実践していただきました。
 山里のうぐいすの声を聞きながら、有意義な研究会となりました。(三浦宗浩)

濃茶をいただく
茶碗を大切に扱いながら濃茶をいただく

 ●会場は、江戸時代の盲目の国学者、塙保己一生誕の地、児玉総合文化会館でした。
 午前の茶筌飾りでは、先生自らも茶碗を手に取り、持ち方、置き方、お茶を出されたときの扱い方、拝見の仕方などのご指導をいただき参考になりました。
 仕組茶碗は、老人点ともいわれ、お客様の前で道具を運ぶ手間を省きその分亭主の動きも少なく目的にあった所作であることをよく理解することができました。
 茶入の扱い方についても、仕服の扱い、拭き方、拭くときの高さなども勉強させていただき、大変充実した研究会でありました。(坂田宗秀)

 

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